どうなるシリーズ

さらなる飛躍を~2025年度を迎えて~

昨年度は3年に一度の報酬改定が行われ、本法人にとっても大きな影響がありました。そんな中、第3次中・長期計画に沿ってご利用者の高齢化や重度化への取り組みなどを進めました。一つ目は強度行動障害への取り組みで、職員の強度行動障害研修への受講を推進するとともに堺市の強度行動障害支援体制整備事業に参画し、中核人材の育成を進めることでご利用者への支援力を高めていく活動を行いました。二つ目は高齢化への取り組みで、堺みなみでの理学療法士等によるリハビリテーションの導入とグループホームしゅくらんでの訪問看護による健康管理の導入です。また多機能型事業所であったわららか草部では、高齢化への対応として就労継続支援B型を廃止し生活介護事業への統一を図りました。
法人施設にも大きな変化がありました。一つは約10年間運営してきた「つむぎ」がオーナーさんから返還を求められ返還したことです。ご利用者はそれぞれの意向もうかがいながら法人内の各事業所に異動していただき、12月には建物を返還することができました。もう一つは懸案であった堺みなみと平井ホームの大規模改修です。平井ホームは築30年を経て老朽化が進み、堺みなみは築40年で数度の大規模改修を経ながらも原因不明の漏水が治らないなど対策が急がれていました。昨夏から年末に開所を継続しながらの困難の多い改修でしたが、職員の努力やご利用者のご協力を得て無事に工事を終えることができました。また、昨年4月から日中事業所の給食業務の委託化を行いました。わららか草部と堺みなみの厨房をそのまま活用して現場調理方式での給食を行っています。給食の量や味付けなどの課題もありましたが、ご利用者・ご家族や職員の意見を給食会社に伝えながら改善を進めています。
一方、職員の確保育成については全国的に人材不足が深刻化する中、厚生労働省の人材確保等のモデル事業を堺障害児(者)施設部会の参加法人とともに採択を受け、当法人はその事務局メンバーとして積極的に取り組みました。約半年間という短期間での実施でしたが、堺市との共催で合同おしごと説明会の開催や階層別職員研修の実施など、今後の職員の確保や育成について活用できる成果がありました。また人材確保がますます困難になっている中、給与制度の改革を行い、給与表の見直し、65歳までの定年延長、グループホーム世話人の勤務を宿直から夜勤体制への変更などに取り組みました。
さて2025年度については、3月6日に理事会が、3月25日には評議員会が開催され、新年度の事業計画や予算案が原案通り可決承認されました。新年度の事業計画においては第3次の中・長期計画に基づき、引き続きご利用者の高齢化・重度化への取り組みを進めることとし、大規模事業所におけるリハビリテーションやグループホームでの訪問看護による医療連携の拡大、強度行動障害等への対応の強化をはじめ、日中活動における支援の充実や地域と共生する事業運営をめざします。職員の確保と育成については昨年度実施した国のモデル事業を糧として施設部会の各法人とも協力しつつ就職イベント等の取り組みを検討していきます。そして数年続いていた経営上の赤字については加算の取得等によりようやく黒字転換の見込みがたち、持続可能な経営基盤を確立してまいります。
今年度はいよいよ当法人の設立40年です。今夏には創立40周年事業の開催を予定するとともに、当法人の理念である「あたりまえの生活」が実現できるよう、さらなる飛躍をめざしてまいります。

【理事長 北田靖浩】

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